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最近アメリカ人のお客様からサンフランシスコ市は危険な場所の一つになっているという話を聞きました。 私がカリフォルニア州に留学していた2004年迄治安について怖がるほどの状況でもなかったのですが、この二十年の間に何が変わってしまったのでしょうか。(アメリカ情勢の勉強をずっと怠っていたのでまったく分かりませんでした)
Webで調べてみると、どうやら前々からカリフォルニア州の政策課題に挙がっていた警察関連予算コスト削減解決策としての一議案が2014年に可決されていたようです。この議案の可決が功を期さない事態へとなり、犯罪率を助長する要因となったようです。
プロップ47について
Prop. (プロップ)とは「Proposition」提案や計画案の意味で、Prop.47の正式名称は「住環境・学校安全法」(Safe Neighborhood & Schools Act)になります。
カリフォルニア州における犯罪の「再分類」(Re-classification)を主旨とした法律になります。
「Crime犯罪」カテゴリー
米国カリフォルニア州を含む各州では犯罪カテゴリーを大きく3つに分類しています。
どの犯罪のカテゴリーで起訴されるかによって、罰則その種類や内容が大きく変わってくる為、罪を犯してしまった側にとってみれば切実な問題となってくるのです。
Three Categories of Crime
1.Infraction (違反) → Penalty(罰則):注意、罰金
2.Misdemeanor (軽犯罪)→ Penalty(罰則):罰金、コミュニティーサービス、一年以下の懲役
3.Felony(重犯罪)→ Penalty(罰則):一年以上の懲役、終身刑、死刑
このカテゴリー(3)の重犯罪とされていた多くの犯罪をプロップ47は「軽犯罪」へと再分類してしまったのです!
・被害額950ドル以下の窃盗・万引き
・時価950ドル以下の盗難品の受領
・額面950ドル以下の小切手、債券、紙幣などの偽造
・被害額950ドル以下の詐欺
・額面950ドル以下の不渡り小切手の意図的な発行
・ヘロイン、コカイン、覚せい剤などの違法薬物の所有または使用
これまで重犯罪とされていた行為が軽犯罪扱いとなり、結果として悪意のある多くの人を犯罪に走らせるインセンティブになったのです。
一方、カリフォルニア州の重犯罪収容施設のキャパシティーは限界を超えていたと言われていましたが、Prop.47の施行で新たに収監される人数の割合が50%へと減少し、囚人人口は2013年と比較して9%の削減となったようです。その結果、警察関連予算が年間1億5000ドル(約210億円)も削減がされたと主張があります。
警察の予算もカットされた事から、軽犯罪はお金にならないので見て見ぬふりという状況となっているようです。 都市部においては、万引きグループや薬物使用者が横行し、アウトローになりつつあると指摘があります。 実際にサンフランシスコへ行かれた方の話だと、車上荒らしの被害にあって通報したがポリスレポートを警察からもらっただけでそれ以上の対応はなかったそうです。 女性や子供連れの観光は控えた方が良いと助言がありました。
サンフランシスコは一人旅で行った場所でもありましたが、犯罪率が高くなったのは残念な気持ちになります。
今日からアメリカ大統領がトランプ大統領さんに代わる事によって、こちらの法改正にも影響が出てくるのか気になります。(市民の生活が更に苦しくなって犯罪率が増えるのかな??)
ブレオ
タカラ
参考資料:
1.ウィキペディア https://en.wikipedia.org/wiki/2014_California_Proposition_47
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