【沖縄の城】「グスク」って知ってます?歴史とロマンを感じられる渋めの遺跡たち(その②)

 

新年早々なかなかハードなニュースが多くてくらってしまいますが、自分の日々の暮らしをきちんと送っていくことが先ずは大事ですよね、スタッフのまえしろです。

と、ちょっと真面目なあいさつから入りましたが、「グスク」のお話の続きを早速していきましょう。

 

ドライブしながら行ってみてほしいオススメの場所を3箇所紹介します。今回は南部ですね。

 

最初に断っておきますが、それぞれの場所ともに派手さはあまり無いし、見て回るのも割とすぐ終わってしまいます。

が、あんまり人がいっぱいしていることが少なくて、時間の流れが減速したように感じる不思議な場所だとわたしは思います。石積みの城壁が醸し出す時の重なりや、吹く風の匂いに色んな思いを馳せてほしい。

 

ということで1箇所目は「具志川グスク(具志川城跡)」(糸満)です。沖縄島最南端の喜屋武岬のすぐ近くにあります。

 

ここは遺された城壁のほかにも、白い砂浜のビーチとは違った、岩壁に波が打ちつけるタイプの海も高台から望むことができます(ちなみに写真に映っている素敵な女性はポートレートをお願いしたモデルさん兼友人です)。

 

 

築城の年代や作った人は不明ですが、国指定史跡になっていますね。城門は幅が8mくらいで、高さは4mほどあります。この場所は、発掘調査で遺物があまり出てこなかったらしく、築城してすぐに放棄された可能性もあるそうです。

 

 

この写真みたいに、城壁の石積みはモノクロにしたら非常に雰囲気が出ると、個人的には思っています。写真を撮るロケ場所としても、グスクはなかなか良いのです(引きの画が少なくて、グスクの写真は2枚とも似た構図になってしまいました……)。

 

さて次です。2箇所目は「玉グスク(玉城城跡)」(南城)。

 

 

こちらも海岸や海が見える高台になっています。と言っても、具志川グスクみたいにすぐ近くに海があるわけではなく、遠目に水平線が綺麗に見える感じですね。すぐそばにゴルフ場もあって、とても開けた高所になっています。

 

 

自然石をトンネルのようにくり抜いて作られた城門がかなり特徴的で、これは実際目にするとなかなかに迫力があると思います。この城門をくぐって中に入るとすぐ御嶽(うたき)があります。御嶽は、神女が祈願を捧げる聖所のことです。

 

琉球のいくつかの地誌によると、玉グスクは「アマミキヨ」という、琉球の神話に出てくる海の女神が築いたもので、城主はその子孫という伝説もあるそうで、こういう話を少しでも知ってからその場を訪れると、何となく感慨深くなるものです。

 

そして最後は「糸数グスク(糸数城跡)」(南城)です。こちらは先の玉グスクからほど近く、車で5分くらいの距離です。

 

 

このグスクもやはり眺望は良く、琉球石灰岩の丘陵地に築城されています。城壁の石積みがけっこうたくさん遺っている上、敷地内が少し入り組んだ作りになっていることもあって、ぐにゃぐにゃと張り巡らされた石積みを見てまわるのが楽しいです。

 

 

築城年は14世紀ごろ、築城者は玉城按司の三男である糸数按司とされているそう。遺構調査では中国の古銭や磁器、徳之島産の土器片、武具などが出土していて、これらが主に13世紀以降のものだということです。城門もガッツリ遺っていて、直角的に切り出された石の積み具合が良い感じです。

 

 

ということで、グスク3箇所の紹介でございました。ちなみに具志川グスクが少し離れていますが、全てまわろうと思ったら23時間もあれば3箇所全てまわれるので、ハシゴしてそれぞれの違いを感じながら見るのもまた乙です。

 

それではまた次回。そろそろメシの話を書こっかな〜。

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